如何ともしがたい

 11月は関東甲信では気候良くて空気も岩も乾く。とはいえ小川山はもう寒いし城ケ崎はまだ暑い。そして茅野消防署はというと、とてもじゃないがもう寒くて登れない。医療アラートがとか感染警戒レベルがとか、そういう問題ではない。

 春になればまた登れるのだけど、冬を越せない人が実は結構いる。10月までは頑張って登るのだけど春になると音沙汰なくなる。クライミング止めちゃったのかな? また出てくればいつでも歓迎なんだけどね。

 クライミング始めるきっかけは色々だけど止めちゃう理由もそれぞれなんだろうね。色んな事情があるし都合がある。よく言われる就職、結婚、出産は一般論で理由は人それぞれ。敢えて分類すれば環境とそれ以外かな。環境というのは仕事や家庭の事情。それ以外はそれこそ様々だけど、もっと楽しいこと見つけたならそれはそれで問題ない。しかし環境以外の理由で止める典型的なのが故障と老い。

 故障をかかえて登り続けて遂には回復不能あるいは回復前にモチ切れしてしまい止めてしまうこともよくある。これはとても残念無念。そうならないように、そうなる前に日々気を付けるしかないけど、つい頑張っちゃうんだよねえ。

 一方老いは如何ともしがたい。過去に70代で5.12登るバケモノと言われた怪人が奥多摩にいたけど、今なら結構いる。ユージ世代なら20年後70代でもそれくらい平気で登りそう。しかしそれでもいつかは終わる。100歳クライマーは今後もあり得ない(100歳ビレイヤーは恐すぎる)。

 何事も始まりがあれば終わりがある。楽しいから始めるのだけど目出度く終わるのはなかなか難しい。故障にしても老いにしても不本意ながら止めるのは嬉しいワケない。それなら毎回これが最後のつもりで人生賭けて登るか。でもそれはちょっと息苦しいよなあ。